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女子アジアカップ 日本 1-0 中国

よくぞ粘った。よくぞワンチャンスをモノにした。
なでしこジャパンはグループA首位で決勝トーナメント進出を決めた。
ベトナム、チャイニーズ・タイペイと連勝して臨んだこの中国戦、
対戦相手のレベルはアジアレベルからワールドクラスへ一気に上がったわけだが、
なでしこの面々に浮ついたところはなく沈着冷静、ばたついた場面はほぼ皆無だった。
間合いを保ち、不用意には飛び込まず、いやらしく粘っこく体を張る日本の守りに
中国の攻撃は遠目からのミドルに偏り、そのシュートコースもDFが抑えているので
ほとんどは力なく、あるいはGK福元の正面を突く形にしかならない。
90分を通じて二重三重、十重二十重の慎重さを保ち続けた守備の堅さが
「負けなかった」主因といえるだろう。これは本当に見事なものだった。
そして勝因は「中国に勝つんだ」という強い気持ちが生んだ積極性だろうか。
相手は世界に名を轟かす中国女子、
さすがに前2戦のように優位に攻撃を仕掛けることは出来ない。
チャンスはそうは多くないかもしれない。そのチャンスを大切に、積極的に生かそう。
ボールを奪う。位置が低ければキープして味方に時間を作る。
高い位置ならば連動して積極的にボールを動かしつつ中国ゴール前まで運ぶ。撃つ。
これがかなり出来ていた。
決勝点もペナルティエリア右側から宮間が仕掛けたことからファウルを喰らいFK獲得、
柳田が放った放物線に宮間がニアでヘッドで合わせてゴールネットを揺さぶったもの。
嬉しそうだったなあ。宮間のヘディングゴールなんてそうそう見られるものじゃないし(笑)。

しつこく的確な守備とワンチャンスをモノにするしたたかな攻撃。
この3戦で得た手応えは自信となって彼女たちの支えとなるだろう。
なによりも史上2回目の「中国戦勝利」が決まった瞬間、
選手たちがどれだけ喜ぶかと見ていたら拍子抜け、表情は実に淡々としたものだった。
ここに決勝トーナメント、ワールドカップ出場権のかかる準決勝への希望を見た気がする。
「目指しているものは先にある」。
なでしこたちのチャレンジは続くが、大いに期待しつつ次の「決戦」を待ちたい。

by urutimai1970 | 2006-07-23 16:41 | 女子サッカー